ホームへ

海川 不動川

泳ぎの沢としては日本最難レベルの不動川。
両岸ハングし、光の侵入すらままならない暗い谷底には、不気味な深淵が蜿蜒と続き、多くの滝が潜んでいる。
高巻きは厳しく、積極的な泳ぎと高度な登攀を駆使して直登して行くしかない。
ザクロ谷や滝ノ内沢を凌ぐゴルジュとは一体どれほどのものか・・。

この沢の遡行にあたって、一つ気になる点があった。それは近年の記録の中で、上部ゴルジュを抜けたパーティーは、いずれも二俣を左俣に入っており、右俣に入った記録がないということだ。
唯一情報のある登山体系にも、地形図上で見る限り一番重要な、右俣本流の100m以上に及ぶ「等高線の過密地帯」に関しては触れられておらず、右の支流の遡行図がわずかに示されているだけである。
これはおそらく、その場所に何かが在り、それを回避した記録しかなかったということではないだろうか。

一方左俣に関しては、50mのスラブ滝があるものの、特に問題になる箇所はないという。
となれば、より充実した遡行になるのは明らかに右俣。
しかも、一般には知られざる大滝が存在する可能性もある。
そもそも情報なしでは軽がるしく行けない沢。
それならせめてゴルジュの先だけでも、過去の追跡より新たな発見を選びたい。

もし、「究極のゴルジュ」を持つといわれるこの沢に、情報のない大滝が加わるとすれば、これまでになくスケールの大きな遡行になることは間違いない。

 

8月16日(晴れ時々雨)

深夜移動で朝方に現地入りし、下山地点となる三峡峠(「三峡パーク」というキャンプサイトがある。)に自転車をデポした後、栗倉集落へ向かう。
どの記録もアプローチに関する具体的な記述がなく、どこに車を置くのかも分からない。記録の断片を読み取り、林道の立ち入り禁止地点から少し戻った草地と判定。(一つだけ墓があり、脇に用水路がある。地形図上では最後の民家マークがある辺り。)
前回の滝ノ内沢の反省を生かして、地元の人に怪しまれないよう、車中に「沢登りに来ている」旨の張り紙をしておく。

用水路沿いの杣道をたどって行くが、途中で道が分かりづらくなり、不動川に近付いた所で入渓。巨岩帯を少し遡ると堰堤が現われ、そこには先ほどの杣道が繋がっている。どうやら早く入渓し過ぎたようだ。
すぐに側壁が高まり、不動滝10m。見事にえぐられた右壁には、カンテが覆い被さるように張り出している。
岩質は土壁に石がはまってできた集塊岩。非常に脆いため、浸食のされ方も異常だ。

少し戻って右岸の緩い草藪から巻きに入る。滝ノ内沢と同様に、毛虫対策でカッパを着用。案の定、途中で毛虫(おそらく毒のない奴だが・・。)が至る所に引っ付いているポイントがあり、血の気が引く思いでヤブを潜る。
潅木帯に入った後は、意外と長いトラバース。通常懸垂下降していると思われるポイントは草付のクライムダウンで通過し、二ノ沢を下降して20mCS滝の上に出る。

ここから本格的なゴルジュ遡行となる。最初の4m滝は釜を泳いで右壁に取り付く。
20cmほど飛び出したブロックを使って登ろうとするが、それ以外にまともなホールドがなく、難しい。溝にスカイフックをきめてアブミに頼りながら、苦しい体勢でブロックに乗り込む。
右手のホールドは甘く、一瞬でも気を抜けば剥がされそうだ。手が外れるか外れないかの瀬戸際で何とか立ち上がり、奥のガバを掴むことができた。

4mCS滝を泳いで左バンドから越えると、下部の核心と言われている10mCS滝。
物凄く暗いゴルジュを想像していたが、しっかりと光が差し込み、思いのほか明るい。淵を泳いで滝下へ。右壁には残置ボルトが5本、ハーケンが1本あり、できるだけ追加のボルトを控えるため、チョンボ棒を使うことにする。
軽量化を図るため、チョンボ棒は初使用のテンカラ竿。全長3.3mなので、2本目まで届かせるためには全開で伸ばさなければならない。

滝の瀑風を浴びながら苦労して準備するが、いざボルトに向かって持ち上げてみると、クニャリとしなって全く届かず。通常より柔らかい竿なので、なおさら酷い。
試しに1本目に掛けてみようとするが、クネクネと動き回り、全く上手くいかない。早々に諦めて普通に登る事にする。今回の教訓:チョンボ棒にテンカラ竿は×。

仕切り直して出だしのクラックにカムをきめ、アブミで1本目の残置ボルトにクリップ。念のため、右のクラックにカムでバックアップを取っておく。
次は残置が抜け落ちていて、打ち足さなければならない。いくつもある過去のボルト穴のうちで、良さそうなものを選んで再度深く掘り直し、ボルトを1本打ち込む。そしてエイドで次の残置ボルトへ。腐食が進んでいるが強度は保たれている。
残りの残置も(一箇所グニャグニャ動く残置ハーケンも含め)全て抜けることなく、後半ハーケンを1本打ち足しながら、計9ポイントのエイドで落ち口に達する。

引き続き、釜や淵のオンパレード。中でも4m滝のL字淵は先が見えず、凄い雰囲気だ。落ち口から見下ろせば、ボコボコした集塊岩が気味の悪い空間を演出していた。
ハングした1m滝は右岸のバンドから5mの懸垂で越え、落ち口に倒木の引っ掛かった5m滝は左を登る。次の1m滝は釜を泳ぎ、右壁の残置ボルトを2本利用してトラバース。

一際巨大な淵が現われ、その奥には7m滝。泳いで滝身に取り付き、右の穴(貫通甌穴)に入り込もうとするが意外に悪い。
タロンを使ってアブミに乗り込みながら、左のリスにハーケンを打ち込む。エイドで穴の縁を掴んだ後は、フリーで穴を通過して、張り出したリッジを登って落ち口へ。
この滝は過去の記録では3段とあるが、1段しかなかった。(この後現われる滝も過去の遡行図や写真とかなりの相違が見られ、淵の底に土砂が堆積している場所も見受けられた。度重なる出水でだいぶ地形が変わっているようだ。)

ゴルジュの湾曲はさらに増し、グニャグニャと入り組んだ廊下に淵と滝が続く。もはや常識では考えられないクビれ具合。おそらく日本最強のクビれ谷であることは間違いないだろう。

細長い瀞の奥にある1m滝をチムニーで越え、振り返れば落ち口上部に引っ掛かった奇妙な流木が、龍のように見えなくもない。かつて地元の人々はこの谷に龍が住むと信じ、仏像を祭って参詣していたらしく、信仰に感化されたのか単なる流木でさえそんな風に見えてしまう。
ただ、そういう伝説があってもおかしくないほど、この谷は異様な空気をまとっている。

続く2m滝は流水を真っ向から受け、落ち口に這い上がる。いったん浅い流れとなった後、門のような岩壁に囲まれた7m滝。所々飛び出した石をホールドにして右壁を直登。
長い瀞を持つ4mCS滝は泳いで瀑水に突っ込み、右をフリーで越える。
次の4m滝は左から。大きな釜を持った6m滝は登れず、右岸から巻き、5m滝の上に出る。
そこにはもうゴルジュはなく、単なる河原が広がっていた。中間地点に当たる「アブキの河原」に着いたようだ。
左岸の岩小屋には石仏が祀られ、エスケープ道になる旧道が続いている。時刻は13時過ぎ。快適な天場に惹かれるが、まだ早過ぎる。このまま遡行を続行する。

しばらく河原を歩くが、とにかくアブが多い。アブキの河原の名の由来は「アブが来る」からではないかと思うほどだ。
滝ノ内沢でも痛い目を見たが、この時期の上越の沢はゴルジュ内にいる時以外は(ひどい時はゴルジュ内にいても)終始アブとブヨに付きまとわれ、不愉快極まりない。
泳ぐ沢は暑い時期に来たいが、虫のことを考えると一長一短。雷雨の問題も寒いのが我慢できるなら9月以降の方が良いのだろう。

上部ゴルジュは巨岩帯から始まる。ここまで遡行してもまだなおとてつもない巨岩が現われるのには驚かされる。
岩間の滝をいくつも越えると、家ほどの巨岩が谷を塞ぎ、4段の滝となる。岩の左に回り込み、最下段6mを右からフリー。2段目2mはハーケンを1本打って人工登攀。3段目1mを越えると最上段4m。
ザックを吊り上げるために、いったん左壁のテラスに上がる。バンドに残置ボルトが1本あり、一箇所エイドを交えれば、そのままトラバースも可能だが、対岸の方が登り易そうに見える。
下降して右壁に取り付くことにする。しかし、意外にホールドが乏しく、結局1ポイントのエイド(カム使用)を強いられることになってしまった。

ゴルジュは狭まり、淵の奥には4mCS滝。この滝裏には「素晴らしいもの」があるらしく、楽しみにしていた滝だ。
登るためにはボルトが必要なようだが、残置を期待してボルトを持たずに淵を泳ぎ出す。
猛烈な瀑水に打たれながら滝裏に入り込み、正面の空洞を覗き込むと、そこには想像以上のものが存在していた。

それは直径50cmオーバーの「アンモナイトの化石」。壁の一部に埋まっているのを想像していたが、実際には単体で堂々と空間に鎮座していた。
自然に出来たにしてはあまりにも出来過ぎで、まるで誰かがそこに置いたかのようだ。
実際にはそんな訳はないのだが、龍の伝説といい、ここには「自然を超越した何かが存在している」と、感じずにはいられなかった。

問題の登攀だが、残念ながら残置ボルトは抜け落ちて、穴しか残っていない。しかし泳ぎ戻るのも面倒。
駄目元でフリーに挑戦する。微妙なスタンスに乗り込みながら瀑水に突っ込み、右壁へと顔を出す。あとは思ったほど悪くなく、あっさりと完登。やればできるものだ。

右岸から六ノ沢(旗振沢)を分け、5m、15m滝といずれも左を直登。2~4mほどの滝を数本越えると右岸から支沢が出合い、その先の河原を幕場とする(C740付近)。
すぐに高台に逃げられる場所で、ゴルジュの間にしては快適な天場だった。

 

8月17日(雨後晴れ時々曇り)

沢幅一杯に引っ掛かった巨大なチョックストーンの処理から始まる。暗闇のルーフ奥に釜を持った3m滝が見えるが、泳ぎを避けて右岸の隙間から越える。
いったん開けていたゴルジュも急激に狭さを取り戻し、10mCS滝となる。通常は左岸草付から巻くようだが、よく見れば直登できそうだ。
取り付くには長い淵を泳ぐ必要があるが、一度登れそうに見えてしまうと、挑戦せざるを得ない。

意を決して淵に飛び込む。滝下に近付けば予想通り水中にスタンスがあり、簡単に滝に取り付くことができた。シャワーを浴びながら左壁を登り、あっけなく滝上に出る。
しかし次の4mCS滝が問題で、チョックストーンの奥側に水が落ち、流水沿いを登るのは不可。
ここはチョックストーンと左壁の間をエイド(カム×2、ハーケン×1使用)を駆使して越えた。

高巻きの情報しかない滝を直登するのは何とも爽快だが、一つ不思議に思うことがある。
それは、ここまで遡行してきたパーティーなら、この滝を登るのに技術的に何ら支障がないということだ。
それにも関わらず、実際に登られていないのは、以前の記録が大きな先入観となっているからではないだろうか。(もしくは地形の変化もあるかもしれない。)
記録は参考になるが、可能性を狭めてしまうデメリットもある。過去の記録に囚われない自由な沢登りを実践して行きたいものである。

再び長い瀞が現われ、3mCS滝。おそらく上部ゴルジュ最後の悪場といわれている滝だろう。泳いで滝裏に潜り込み、左壁とCSの間にカムをきめ、エイドで上がる。
傾斜をまともに受けるので、しっかりとジャミングをきめていないと耐え切れず、肉体的には一番辛い登攀となった。

ゴルジュは緩むが、白い冷気とともに崩れた雪渓が谷を埋め尽くす。スノーブロックの間を慎重に通過し、いくつかのCS滝を越えると二俣に到達した。
ここからいよいよ今回一番の冒険となる右俣の遡行が始まる。果たして問題の地には何が存在するのか・・。

右俣に入るとすぐに登れない3m滝に阻まれ、左の草付を小さく巻く。続く6m滝は水流沿いに直登するが、抜け口に良いホールドがなく苦戦する。
正面には左岸の支沢が15m滝となって流入し、谷は左曲、直登不能の10m滝に遮られる。右岸を巻いて3m滝の上に出る。そして悪相の4m滝。
一見してフリーで突破するのは厳しく、ボルト以外の支点も取れそうにない。高巻きも不可。久々にボルトの出番のようだ。
準備万端で右壁に取り付くと、実は意外とスタンスがあることに気付く。そして肝心のブランクセクションには、しっかりと残置ボルトがあった。もっとよく見ておくべきだった。
A0で難なく通過する。

上にはまたもや直登不能の6m滝。左壁に唯一巻けそうな弱点が存在しているが、上部草付への繋ぎ部分が悪そうだ。よく見ればそのポイントにも残置ボルトがある。
先が読めず、念のためロープを出す。側壁を登り、残置ボルト(2本あり)を使ってエイドで上部へ抜けると、後は滝上まで容易に巻くことができた。
次に現われたのは、クサビ状に引っ掛かる巨岩の5mCS滝。滝身とCSの間を慎重に這い上がる。
右俣は弱点の少ない滝が連続し、苦労の度合はこれまでのゴルジュと比較して遜色ないほどだ。

そしてついに問題のポイントに近付き、緊張が高まる。
前方には巨大な岩壁。
まさかあれなのか。もはや疑う余地はなかった。予想はしていたが、まさかこれほどとは・・。
平坦だった流れは何の前触れもなく、一気に高度差100m以上へとせり上がり、幅200m以上で取り囲む一大岩壁帯を築き上げていた。
巨大過ぎて高巻きのラインすら定かではない。突き付けられた容赦のない現実。良くも悪くも全ての予想は的中してしまったようだ。

さてこれをどう処理するか・・。下部がハングしている流水沿いは不可。傾斜の緩い左壁が、唯一登攀の可能性を示している。ただ、先が見えない上部と、支点を取りにくい岩質には、一抹の不安は拭い去れない。
高巻きは左岸の草付から藪に入るラインが考えられるが、かなりの体力と時間を消耗しそうだ。
できることなら登攀に挑戦したいが、この岩壁は簡単にはそれを実行に移させてくれない威圧感がある。

しばらく悩んだ挙句、やはり駄目元で挑戦することにした。ここまで来て逃げたくはない。
岩壁の基部まで草付を上がり、手の届く高さにある水平クラックにハーケンを2本打ち込んでアンカーとする。スラブに乗り上がって登攀スタート。

岩は乾いていてフリクションが良く、傾斜もそれほどではないため、タビでも問題なく登って行ける。ただ案の定、支点は取れない。
上部の潅木目指して左に回り込むように登っていくが、結局一本も中間支点を取れず、20mランナウトして1ピッチ目を終える。
2ピッチ目も同様に、中間支点なしで次の潅木まで25mランナウト。難しくはないが、ミスが許されない登攀が続く。

いったん傾斜が緩み、易しそうに見えるので、3ピッチ目からはロープをしまってフリーソロで行くことにする。
左にトラバース気味に登り、一旦ルンゼに入るが、流水に磨かれている分ホールドが悪く、緊張する。途中から再び右のスラブに出て右上。草付を交えながら、滝の落ち口へ向かう。
すでに相当な高さにいると思うが、傾斜がないため、それほどの高度感を感じない。とはいえ、スリップしたら完全にアウトなのに変わりはない。

落ち口へ近付くと、その上にも弱点のない10m滝、5m滝と続いているのが見え、まだ沢床に戻ることはできない。さらにスラブを直上し、藪に入って5m滝の上に出た。
おそらくロープをしまってから3ピッチ(80m)分位はフリーソロしていたと思われる。

やはりやってみるものだ。最初は不可能に見えた壁ですら、登ってみれば意外と易しかったりする。やらなければ分からないこともある。
沢登りでは特に、メンタル要素が成否に大きく関わっていると感じることが多々ある。技術を持っているだけでは駄目なのだ。
自分の心との微妙な駆け引きによって、遡行の充実度は変わってくる。だからこんなに面白い。

ここから先は流れが細くなるが、磨かれた滝が続き、簡単には進まさせてくれない。駄目押しで現われたのは、オーバーハングの30m滝。左岸を大きく巻かされ、貴重な体力を奪われていく。
最後に4m滝を右岸の渋い草付から越えると、後は大した滝もなく、阿弥陀山の肩(C1470付近)に詰め上がることができた。稜線上は大量の藪に加え、厄介なツル植物が密生し、身動きの取れない猛烈な藪漕ぎとなる。

最後の注意点である阿弥陀沢左俣への下降のため、慎重に地形を読む。西へ向かい、C1440から南へ派生する尾根に入り、適当な所で右の沢筋へ下る(尾根上には所々に赤テープがあった)。
阿弥陀沢左俣は、一箇所10mの懸垂下降をさせられる以外は特に問題になる箇所はなく、階段を降りるかのようにゴーロを快適に下れる沢だった。

海川に合流し、堰堤から登山道に入る。圧巻の大岩壁を横目に見ながら三峡峠へ上がり、坂道を自転車で駆け下る。18時過ぎに栗倉着。ようやく長い一日を終えることができた。

 

ゴルジュ遡行に目がない私にとって、この沢の存在は特別で、一生の内で絶対に行かなければならない沢として位置付けていた。
今まで見てきたどのゴルジュにも勝るとも劣らず、他に類を見ない特異性を秘めた沢であったことは間違いない。

今回は上部で右俣を選択したことで、不動川で最も充実した遡行ラインを結べたように思う。
思い返せば、入渓に当たって事前に克服すべき、実に多くのメンタル事項があった。
逃げ場のないゴルジュ、泳ぎの多さと寒さ、脆い岩質での人工登攀、時期的な雷雨と鉄砲水、掛かる日数とそれに伴う荷の重さ、天場問題、アブなどの害虫、曖昧なアプローチと下降ルート、不明瞭なアブキの河原からのエスケープルート、情報のない右俣とそこに想定される大滝の存在・・。

これら全てのリスクを許容し、実行に移すためには、体力・技術以前にまず、強い精神力とそれを支える動機が必要だった。

今回の遡行には、過去の経験が大いに生かされていたと思う。
それがあったからこそ、あらゆる場面で積極的に行動することができ、記録を見ない右俣100mの大滝を前にして、諦めずに登攀を実行に移すことができた。
今回の遡行で一番精神力を要したこの決断をできたことに自分でも満足している。

一つの沢を遡行する機会は限られている。「一度行った沢に再度行く位なら、他にまだ見ぬ沢に行きたい」と思う者にとって、一生に一度切りの沢は多い。
それならばせめてその一度は、悔いのない最高の遡行で飾りたい。
そのためには少なくとも、心だけは強く在りたいのだ。

不動滝10m
≪ 不動滝10m ≫
ゴルジュの入口に落ちる。
右岸から巻く。
4m滝
≪ 4m滝 ≫
ハードムーブで右壁を登る。
4mCS滝
≪ 4mCS滝 ≫
泳いで左のバンドに上がる。
4mCS滝の淵
≪ 4mCS滝の淵 ≫
河原は全くない。
10mCS滝
≪ 10mCS滝 ≫
下部ゴルジュの核心。
右壁をエイドで登る。
10mCS滝の上から
≪ 10mCS滝の上から ≫
登ったラインを見下ろす。
L字の淵を持つ4m滝
≪ L字の淵を持つ4m滝 ≫
先の見えない泳ぎとなる。
4m滝上から
≪ 4m滝上から ≫
何とも奇妙な景観だ。
ハングした1m滝
≪ ハングした1m滝 ≫
左壁から懸垂で滝上に降り立つ。
1m滝
≪ 1m滝 ≫
右壁を残置ボルト2本で
アブミトラバース。
7m滝
≪ 7m滝 ≫
過去に「3段の滝」と呼ばれていた
滝だが、今は1段しかない。
7m滝の貫通甌穴
≪ 7m滝の貫通甌穴 ≫
瀑水からこの穴を通ってきた。
逆くの字ゴルジュ
≪ 逆くの字ゴルジュ ≫
浸食のされ方が異常だ。
異形のゴルジュ
≪ 異形のゴルジュ ≫
凄まじい空間。
こんなゴルジュが他にあるだろうか。
1m滝上から
≪ 1m滝上から ≫
龍の住む谷。
2m滝
≪ 2m滝 ≫
瀑水を真っ向から受けて中央突破。
7mCS滝
≪ 7mCS滝 ≫
自然の門を構えた滝。
4mCS滝上から
≪ 4mCS滝上から ≫
長い淵を泳いでフリーで直登。
ザックは後から吊り上げる。
6m滝
≪ 6m滝 ≫
下部ゴルジュ最後の滝。
右岸を巻く。
2条4mCS滝
≪ 2条4mCS滝 ≫
泳いで滝裏に入り込む。
そこには信じられないものが・・。
奇跡の化石
≪ 奇跡の化石 ≫
岩の隙間に鎮座する巨大アンモナイト。
素晴らしい自然の芸術。
15m滝
≪ 15m滝 ≫
左壁をフリーで登る。
暗闇の3m滝
≪ 暗闇の3m滝 ≫
巨岩ルーフの奥に落ちる。
10mCS滝
≪ 10mCS滝 ≫
上部ゴルジュの最深部。
入り組んだゴルジュを泳いでいく。
10mCS滝の上から
≪ 10mCS滝の上から ≫
標高800m足らずの場所にこんな
ゴルジュが存在しようとは・・。
4mCS滝
≪ 4mCS滝 ≫
10mCS滝の上にある。
左壁とCSの間をエイドで登る。
3mCS滝
≪ 3mCS滝 ≫
上部ゴルジュ最後の悪場。
泳いで滝裏から苦しいエイドで越える。
10m滝と15m滝
≪ 10m滝と15m滝 ≫
滑らかな滝。左が本流。
右岸を巻く。
6m滝
≪ 6m滝 ≫
フリーでの直登は不可。
右岸から一部エイドを交えて巻く。
右俣100m大滝
≪ 右俣100m大滝 ≫
周囲一帯を岩壁に遮られ
絶望的な景観を呈する。
大滝登攀1
≪ 大滝登攀1 ≫
流水から離れて左壁の
スラブを登っていく。
大滝登攀2
≪ 大滝登攀2 ≫
下を見下ろす。スラブの傾斜は緩い。
大滝登攀3
≪ 大滝登攀3 ≫
いったんルンゼ(凹部)に入った後
再びスラブに出る。
30mハング滝
≪ 30mハング滝 ≫
ここまで来ても滝の浸食は健在で
楽をさせてはくれない。
遡行図
≪ 遡行図 ≫
画像をクリックするとPDFで開きます。

【 遡行データ 】

  • 対象 : 海谷山塊 海川 「不動川」
  • 行程 : 「不動川」遡行~「阿弥陀沢左俣」下降~堰堤から登山道で「三峡峠」へ
  • 日程 : 2011/8/16~17 1泊2日
  • 形態 : 単独
  • ギア : 三つ道具、スリング、7mm30mロープ、ソロイスト、MEマスターカム#00~3まで各1(計5本)、BDストッパー#1~6まで各1(計6本)、スカイフック、タロン、アブミ、ボルト
  • コースタイム :
  • 8/16  栗倉集落P(5:45)-堰堤(6:15)-不動滝下(6:30~6:35)-上(7:45~8:05)-10mCS滝下(8:45~8:50)-上(10:35~10:55)-アブキの河原(13:15~13:35)-旗振沢(15:20)-C740右岸支沢出合の先(15:50)△BP
  • 8/17  △BP(5:45)-3mCS滝上(7:05)-二俣(7:40~7:45)-C990二俣(9:20~9:25)-100m大滝下(9:45~10:10)-上(11:40~12:00)-阿弥陀山稜線(13:20~13:40)-阿弥陀沢左俣(14:30)-(15:05~15:15)-海川出合(16:10~16:20)-三峡峠(17:35~17:40)-栗倉集落P(18:20)

 

↑ページトップへ